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シストラム(ガラガラ)は、古代エジプトの数あるシンボルの中でも、重要な役割を持つ楽器である。 最初は音楽に関連して登場したが、その象徴性と神秘的な目的は、それだけにとどまらない。 ここでは、シストラムについて詳しく見ていこう。
シストラムとは何だったのか?
シストラム(複数形 シストラ シストラムは古王国時代に初めて登場し、女神と結びついた。 アイシス と ハトホル 現代ではタンバリンがそれに相当します。
シストラムは、長い柄と横木のついた枠、そして振ると鳴る小さな円盤からなる、ガラガラに似た楽器で、木や石、金属などで作られていた。 シストラムという言葉は、次のような意味を持つ。 揺れ動くもの。
シストラの種類
古王国時代に登場した最古のシストラは、ナオス・シストラとも呼ばれ、ハトホルと強い結びつきがありました。 このシストラは、持ち手に牛の角とハトホルの顔が描かれ、上部には鷹が描かれているものもありました。 このシストラは、いくつかの描写や細部が洗練されています。 残念ながら、この種のシストラは主に美術品として残されています。が描かれており、古代のシストラの実物はほとんど存在しない。
現存するシストラの多くは、グレコローマン時代のもので、ループ状のフレームとパピルスの茎をかたどった長いハンドルだけで、細部の形状も変わっている。
古代エジプトにおけるシストラムの役割
シストラムは、ハトホル女神の特徴である喜び、祝祭、エロティズムのシンボルとなった。 また、エジプト人はシストラムに魔法があると信じていた。 シストラムは、ハトホルのもう一つの象徴であるパピルス植物から派生したと考える資料も存在する。シストラムは、デンデラのハトホル神殿に描かれているものが最も有名である。
シストラムは当初、神々とエジプトの高位聖職者だけが持つことのできる道具であり、象徴であった。 その力は、高位聖職者たちがそれを使って恫喝するほどであった。 セット また、シストラムはナイル川の氾濫を回避することができると信じられていた。 この二つの基本的な機能から、この楽器は女神イシスと結び付けられ、イシスの絵の中には、氾濫の象徴を片手にシストラムを持つイシスも描かれている。
シストラムのシンボル
シストラムは楽器として出発したが、その象徴的な価値は音楽的な用途を超えた。 シストラムは様々な儀式や式典の中心となり、また葬儀や墓の設備の一つにもなった。 これらの場合、シストラムは機能的ではなく、象徴としての役割を果たした。 またシストラムは喜びやエロチズム、豊穣のシンボルでもあった。
やがてシストラムは、女神ハトホルや下エジプトの重要なシンボルであるパピルスと結びついた。 ハトホルはパピルスから生まれたという神話や、イシスが息子のホルスをナイル川の周囲のパピルス藪に隠したという話がある。 また、パピルスとの関連からシストラムはアメン神やアメン神のシンボルになったとも言われる。バステト。
後世、シストラムはエジプト人がハトホルの怒りを鎮めるために用いたシンボルとなった。
新王国時代には、シストラムはハトホルや他の神が激怒しているのを鎮める道具として使われていた。
グレコローマン時代のシストラム
ローマ帝国がエジプトに侵攻したとき、この二つの地域の文化と神話が混ざり合った。 イシスはこの時代に最も崇拝された神の一人となり、その象徴は彼女とともに生き残った。 ローマ帝国の辺境が広がるたびに、シストラムの崇拝と象徴も広がった。 この時代、シストラムはキリスト教の登場までその重要性を維持し続けたのだ。
コプト教会やエチオピア教会では、シストラムは今もなお強力なシンボルとして存在している。
概要
シストラムは楽器として出発したが、宗教的な文脈で象徴的なアイテムとして重要になった。 現在でも、一部のキリスト教会で使われ、音楽の文脈で使われることがある。