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グロブス・クルーシガーは、別名 花と実 または 十字架の勝利 は、中世から続くキリスト教のシンボルで、球体の上に十字架を置き、キリスト教の世界に対する支配と権威を象徴している。
グローブス・クルーシガーの歴史
古来、地球はオーブで表現され、手に持つオーブは地球を支配する象徴とされた。 ローマ神話のユピテル(ギリシャ神話のゼウス)はオーブを持ち、世界を支配する象徴として描かれている。 しかし、球体は完全や完成の象徴でもあり、オーブは万物の創造主としてのユピテルの完全を意味することもできる。
2世紀のコインには、ローマの神サルスがオーブの上に足を乗せている姿(支配と冷酷の象徴)が、4世紀のコインには、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世がオーブを手にしている姿(全権委任の象徴)が描かれているなど、当時のローマコインには異教徒の姿が見受けられる。
キリスト教がこのシンボルを採用した時には、すでにオーブと世界との結びつきができていた。 オーブの上に十字架を置くことで、キリスト教徒でない人にもこのシンボルの意味が理解された。 グローブス・クルシガーは支配者と天使のシンボルになった。 これは、キリスト教の支配者が神の意志を遂行する役割を意味するものである。
グローブス・クルーシガーの描写
グロブスクルシガーとセプターを持つエリザベス1世を描いた画像。
グロブスクルシガーは、ヨーロッパのいくつかの君主制国家では王室の重要な装飾品であり、しばしば笏(しゃく)と共に携行される。
ローマ法王はローマ皇帝と同等の権力を持つことから、このティアラにもグロブス・クルーシガーを掲げる権限があったのだろう。
キリスト教の図像では、イエス・キリストの手にグロブス・クルーシガーが描かれることもある。 この場合、世界の救い主としてのキリストを示すシンボル(「グロブス・クルーシガー」と呼ぶ)となる。 サルバトール・ムンディ ).
グロブスクルシガーは中世に流行し、コインや美術品、王室衣装などに大きく描かれていた。 現在でも王室衣装の一部となっている。
概要
グロブス・クルーシガーは、もはやかつてのようなインパクトやパワーはないと言えるが、キリスト教や政治の重要なシンボルであることに変わりはない。